SOYLENT GREEN

初見は中学生の時に「シネマ大好き」か深夜放送でした。荒廃していく希望感のない人間社会、ある意味未来の一方向を示す感じが、特にセットもほとんど組まていないのに近未来を感じさせます。古い映画ですが、ハッピーエンドが描かれなくいSF映画らしい仕上がりです。娘にデストピアSF作品を教えるために見せましたが、十分役に立ちました。

私が中学生の頃に映画館で観た。その頃は映画は常に二本立てだった。確か最初が猿の惑星で、その裏で上映されていた。三流映画だったけど今でも強く印象に残っていた。最後のシーンで流れるベートーヴェンの田園が心に強く響いたな。記憶は定かではないけど何箇所かシーンが抜けていたような気がした。物語としては出来が良いと思います。

チャールトン・ヘストンのSF作品はすべて購入。オメガマンもいいし、猿の惑星はもちろん。これは小品だけど、エドワード・Ｇ・ロビンソンの演技が好きです。

社会問題は少なからず2022年を正しく予想できていますが、テクノロジー周りは特に未来的ではないのでガジェットを楽しむSFというより人口爆発した未来での社会問題を扱う作品として鑑賞するならアリだと思います。アクションシーンもあるけれど未来感はまったくナシ。食糧難と命の尊厳を天秤にかけるソイレントグリーン。富豪だろうが葬式もせず遺体はどう見てもごみ収集車な車両に乗せられて処分場送りという世界観。自分が主人公のソーン刑事ならどうしただろうか、そういう視点で見るのがよいかなと思います。

今リメイクしてほしい作品

５０年前に描かれた５０年後の未来の世界では、エネルギーが枯渇し土地も海も汚染され、生物の生きられない世界。地球は温暖化し、酷暑が当たり前で飲料水さえ不足する。庶民が手に入る食料はソイレント社製のなんでできているか不明な板状のものだけ。老人たちは安楽死を求めホームと呼ばれる施設へ自ら望んで行く。当時、中学生だった私は映画館でこの作品を観て、ここまでひどくはならないだろうと思った。なぜ、このような社会になってしまったかは、はっきりと描かれてなかったが、人類が生き残っている地域が少ないのはわかる。行政も市民を人間扱いしてない。年寄りにはつらい社会。今、私も年寄りといわれる年齢になった。ブックの老人の気持ちがわかるようになった。しかし、過去の未来が実現しなかったのはたまたまかもしれない。今から１００年後にこうならないとは言い切れない。太陽がちょっと活発化すれば実現してしまう。設定や描写の突っ込みどころは多々あるけど、ソーンの最後のセリフは忘れられなかった。気候の変動は、何も人類の生命活動によるものだけではない。それは抗えるものではない。

子供の頃にテレビで見た映画。専門家の評価は意外に普通のようだが、私にとっては完璧な名画だと思う。チャールトン・ヘストンの主演作はどれも素晴らしい。

現実では2021年の時点で800万人超えてますね。環境劣化による食糧難が深刻化したりすれば起こりうる内容。飽きずに観れた。